
皆さん、こんにちは、スズタカです。
今回はタイトルにもある通り、
- 「初心者はエルドリッチを構築しろ」という風潮
ここに関して、考察していきたいと思います。
これは、OCG経験者や、企業サイト、果てはYoutuberもこぞって「エルドリッチ」を勧めるのを見ますが、果たして、実際にそれでいいのだろうか、という考えを強く持っているからです。
それでは参りましょう。
目次
「エルドリッチ」を使うメリット
マスターデュエルにおける「エルドリッチ」デッキは次のような4つのメリットを持っています。
- 必須URカードが少ない
- 取り扱いがシンプル
- 採用されてるカードが強く簡単に勝つことができる
- 性質上、ジャイアントキリングを起こしやすい
これらのことから、非常に実戦向けのデッキといえます。
マスターデュエルは現状、ランク戦以外の対人戦の場がないに等しく、無課金、微課金で効率よく資産を稼ぐためにはランクを上げることが求められるため、
- ランク戦で勝ちやすい
- 構築しやすい
- 扱いが簡単
と3拍子揃っている「エルドリッチ」は確かに初心者にオススメしやすい性質を持っていると言えます。
特に、ゲームを楽しむためには成功体験が重要であり、対人ゲームである遊戯王において、最も手っ取り早い成功体験は対戦で勝利することです。
そのため、初心者には良い教材となりえる可能性がかなり高いのは間違いありません。
しかしながら、これだけ明確なメリットを持っている「エルドリッチ」ですが、手放しに推奨できない理由がいくつか存在します。
次はそちらを紹介していきましょう。
「エルドリッチ」を使うデメリット
私が考える「エルドリッチ」を扱うデメリットは以下の4点です。
- 勝つことに主軸を置きすぎている
- 他デッキに流用できるパーツが少ない
- ゲーム性が単調なので飽きる
- 現代遊戯王が上手くなる要素が少ないままにランクだけが上がっていき、後半詰みかねない
そして、これらの行き着く先に
5.乗り換え先がない
が発生します。
1つずつ解説していきましょう。
勝つことに主軸を置きすぎている
「エルドリッチ」は前述の通り、勝つことに主軸を置いたデッキ構成であるため、そのデッキ内容も勝つことに特化したものとなります。
そのため、そのデッキは勝つことしかできないデッキになってしまいます。
これは後半の部分と関係していく内容ですが、私個人としては、「エルドリッチ」は勝てるだけのデッキという評価です。
楽しい、という感情こそが初心者に必要だと考えているため、それらよりも勝つことを優先し過ぎる「エルドリッチ」は初心者向けではないと考えています。
他デッキに流用できるパーツが少ない
無課金、微課金のプレイヤーにとって、カードを生成する機会は貴重なものです。
そのため、資産を安く抑えるために、触りとして「エルドリッチ」を触り始める方もいるはずです。
しかしながら、「エルドリッチ」デッキは他のデッキではあまり採用されない永続罠カードを大量に集めて運用することが求められる上にそれらの大半はSR以上のレアリティです。
そのため、貴重なはずのクラフト機会の大半は汎用性のない永続罠カードに変わってしまいます。
URカードの生成を避ける事こそできますが、手元に多くの汎用性の低い罠カードを集めなければならない、という事実を理解する必要があります。
ゲーム性が単調なので飽きる
「エルドリッチ」のゲーム性はオブラートに包めばシンプル、悪く言えば非常に淡泊です。
ゲーム内容も引きこんだ罠カードを順番に発動するだけですし、それらが対処されなければ、それだけでゲームに勝ってしまいます。
そういった淡泊なゲームを繰り返せば自然と飽きが来ます。
私の知り合いには、紙で実物の「エルドリッチ」を所有しているだけでなく、更にはマスターデュエル内でも「エルドリッチ」を愛用している生粋の「エルドリッチ」フリークといえるプレイヤーがいますが、世界広しと言えど、そんな奇特な方はそう多くはないはずです。
つまり、勝つことの先に「エルドリッチ」への愛があるのかを問いかける覚悟で使わなければなりませんし、勝つだけなら他のデッキでも十分に勝てます。
そして、これは初心者に求めるようなことではないと考えます。
上手くなる要素が少ないため、後半詰みかねない
先ほども述べましたが、「エルドリッチ」のゲーム性は非常に淡泊であり、しばしば、お互いに技術介入のないゲームが発生します。
そのため、プレイングを反省したり、分岐を考えたり、採用カードを工夫する、といった上達の余地が殆どありません。
ここに関しては、「エルドリッチ」を使用して、実戦を通して成長できるようなプレイヤーは既に初心者ではない、と言い換える方が正しいかもしれません。
しかし、大半の初心者は、そもそも分岐やミスの発生に気付くことができないままに、回数を重ねれば自動的にランクだけが昇格していきます。
そして、ある程度ランクが上がると、突然勝てなくなることは目に見えています。
そうなってしまった際にゲームを続けられる初心者は稀だと言えるでしょう。
初心者から上達の機会を奪っていると見た時に悪影響は大きいと考えます。
もちろん、「上達」も初心者に求めるべきものではありませんが、その機会を奪っていいわけではないでしょう。
乗り換えが効かない
ここまで、散々述べてきたデメリットの終着駅です。
諸々の事情で、「エルドリッチ」を扱うことに疲れたプレイヤーの手元には専門性が高く、他デッキに流用できないパーツが多く集まっているはずです。
そのため、いざ、別のデッキを組もうとしても、それらのカードが助けになってくれるか非常に怪しく、スムーズな乗り換えが行えません。
私は初心者は好みのデッキを見つけるまでに失敗や挫折をするものだと考えていますが、流用の効かないパーツと経験、知識だけが手元に残る、という挫折はあまりよいものではないと考えています。
結論
ここまでは「エルドリッチ」を扱うメリット、デメリットを紹介してきました。
私自身の意見としては、見た目の組みやすさを重視して、初心者や無・微課金の方に「エルドリッチ」を勧める、という行為はあまり、その方のためにならないのではないかと考えます。
しかしながら、「エルドリッチ」を組むことを推奨したい場合も幾つか存在します。
最後にそれを紹介しておきましょう。
とりあえず勝てることを目標にする場合
最もシンプルなパターンです。
プレイヤーが勝ちを欲しているのならば、「エルドリッチ」はそれに応えてくれるでしょう。
デメリットもある程度理解した上でなお、使うという割り切った選択肢も十分にあり得ます。
これは、とにかく勝ちたい、といった条件を挙げる方は、生粋の初心者ではない場合が多いと考えられるからです。
仮に遊戯王が初心者だったとしても、他の対人ゲームの経験を持っているなどいわゆる「スパイク」と呼ばれる競技思考の強いプレイヤーはこういった思考にたどり着きやすいのではないかと思われます。
こういった方々は先ほどまでに挙げていたデメリットの幾つかを自己責任で乗り越えていけるでしょう。
環境デッキを触ってみたい場合
これは、ある程度の課金者に多いのではないかと考えます。
初心者だけど、とりあえずいくつかある環境デッキをとりあえず順番に試していこう、といった場合に「エルドリッチ」を候補とするのはむしろ好ましいと言えます。
多くのデッキを触れる条件が整っているのならば、止める必要はありませんし、ある程度デッキを比較した上で好きなデッキを選べる条件ならば、積極的に選んで良い枠だと言えるでしょう。
資産と知識のない無課金、微課金が詰んでしまうことを心配していましたが、財力があればそんなもの乗り越えていけます。
やはり金、金は全てを解決する。
過去にプレイ経験がある場合
これは純粋な初心者ではありませんが、本格的なプレイは初めて、といった方や、10年ぶりに復帰といった方は実質的には初心者です。
彼らは自身の好みなどを把握しているはずなので、要領、用法をきちんと守って「エルドリッチ」を扱えるはずです。
現代遊戯王を感じられるいい機会になるはずです。
まとめ
長くなりましたが、
初心者に「エルドリッチ」を勧めるべき、という風潮に関して、私が考えることは一通り語り終えました。
メリットとデメリットがあるため、手放しに推奨するべきではないが、適切に扱えば非常に良いテーマである、というのが私の結論です。
この記事をきっかけに「エルドリッチ」を使うかどうか、決めるきっかけができれば嬉しく思います。
今回は以上となります。
なにか質問等ありましたら、スズタカのTwitterや、質問箱に送っていただければ解答していくのでぜひ気軽にどうぞ。
次回以降は、クラフト優先度の高いSRカードのまとめや、チェーンのオンオフ機能についての特集、初心者にオススメするべきと考えられるテーマまとめを行っていく予定です。
良ければまた、起こしいただけると幸いです。
それでは皆さん、またお会いしましょう。