フュージョン・デステニーの禁止は本当に必要だったのか
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皆さん、こんにちは。スズタカ@ATM(@ChaosSusan)です。

今回は、先日発表されたリミットレギュレーションにて、唐突に禁止された《フュージョン・デステニー》の禁止をめぐる考察をお届けしていこうと思います。

《フュージョン・デステニー》の効果とその主な実績

カードテキストと収録弾

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分の手札・デッキから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、「D-HERO」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊される。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分は闇属性の「HERO」モンスターしか特殊召喚できない。

近年増加傾向にある、デッキから融合素材を調達して融合できる魔法カードです。

初収録はダーク・ネオストームです。

同期には悪名高い《魔鍾洞》や、各種展開デッキを強力にサポートした《星杯の神子イヴ》、「オルフェゴール」デッキのキーカードの1つであった《宵星の機神ディンギルス》といった凶悪な面子が名を連ねています。

そして、今回のリミットレギュレーションの発表後、このカードもまたそれら極悪人の1枚に数えられることとなりました。

主な実績

実装後は同弾に収録されていた《X・HERO クロスガイ》や各種「D-HERO」達と共に、各種「HERO」デッキに採用され、それらのデッキを大幅に強化しました。

「HERO」デッキで運用されている内は、強力な攻め手であり、リソース源でもある、といった具合にテーマ専用カードという縛りに見合う強さを誇っていました。
そのため、確かに強力であるものの、デッキを組む意義の1つになる良カードといった立ち位置で健全な活躍をしていました。

しかしながら、2021年7月《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の実装により、状況は一変。
デッキ内から各種融合素材を踏み倒すことのできる《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》と共に強力な出張パーツと化し、数多くのデッキで採用されました。

その活躍(悪行)はさながら《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の再来とまで言われたほどであり、最終的には《アラメシアの儀》を筆頭とする「勇者」ギミックと並んで環境を定義するまでに至りました。

《D-HERO デストロイフェニックスガイ》という強力な制圧カードが使用デッキを選ばずに採用されている、という事態が相当に重く見られたのでしょう。
《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が発売された7月から半年間も経たずに、関連カードである《フュージョン・デステニー》は禁止されることとなりました。

《フュージョン・デステニー》の禁止をめぐる考察

ここまでは《フュージョン・デステニー》が禁止されるに至った理由を簡単に解説してきました。

ここまで述べてきた通り、《フュージョン・デステニー》の禁止は、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が見境なく様々なデッキに出張しているという現状が重く見られたが故の措置だと思われます。
そのため、実績だけを鑑みるならば、納得できる改訂のはずです。

にもかかわらず、今回の改訂は、非常に大きな疑問を持って多くのプレイヤーに迎えられることとなりました。

それは即ち、《フュージョン・デステニー》の禁止指定は不当ではないか?という意見が、未だに散見されることからもうかがい知ることができるでしょう。

次はここを考察していきたいと思います。
《フュージョン・デステニー》の禁止指定は、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の出張をやめさせるために、本当に必要なことだったのでしょうか?

結論から言うと、私は《フュージョン・デステニー》は不当に禁止されてしまったと考えています。
真に禁止されるべきは間違いなく《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》であったことでしょう。

《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を出張させない4つの方法

今回のリミットレギュレーションの改訂を通じて、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の出張をやめさせようと考えたとします。
このとき、私が簡単に考えただけでも以下の4つの案がありました。

  1. 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を禁止する。
  2. 《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を禁止する。
  3. 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の融合素材となるカードの内、強力なものを禁止する。
  4. 《フュージョン・デステニー》を禁止する。

とはいえ、4つの選択肢を挙げていますが、実は、1と2に関しては、私自身は概ね諦めていた方法でもありました。

KONAMIの販売戦略的に禁止できない

というのも、これまでのKONAMIの販売戦略を踏まえると、販売されてから間もないカードへの規制は殆ど行われず、最初はいくら暴れていたとしても適当な対応でお茶を濁す、という可能性が十分にあったからです。

《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を制限止まりで放置し、次回の改訂で改めて禁止指定を行ったのは記憶に新しいことですが、こういった行為はこれまでも頻繁に行われてきました。

そのため、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が直接禁止になることはまずない、と考えていました。

また、12月前後に再販がかかったばかりの「LINK VRAINS PACK 3」の稼ぎ頭である《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》も、同様の理由から販売戦略的に禁止にはならないだろう、という読みをしていました。

それらに関する考察は過去記事にて取り扱っているので良ければご覧ください。

また、これは完全に余談ですが、リミットレギュレーション発表の12時間前に公式アカウントから《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の販促が行われました。
それを確認した時点で、私の予想は確信に変わりました。

https://twitter.com/YuGiOh_OCG_INFO/status/1469823060307955712?s=20

そのため、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の出張を、KONAMIの販売戦略と喧嘩せずに抑制しようと考えたならば、関連カードを規制する残り2つの方法しかありません。

残る2つの方法からどちらを選ぶべきだったのか

ここまでの考察から、KONAMIの販売戦略的に、根本的な要素を禁止して、出張問題を解決することはしないであろうことが想定されました。
こうなると、ここからはどれだけ手を尽くしても、大衆の納得が得られないであろう展開になってしまったわけです。

では、融合素材を禁止するか、《フュージョン・デステニー》を禁止するべきかの2択を選ぶにあたって、どちらの方がより良い改訂になりえたでしょうか?

この観点で、私は前者の方が環境を良くするだろうと予想しました。
というよりも《フュージョン・デステニー》を禁止にしたくなかったというのが正しいところかもしれません。

なぜなら、《フュージョン・デステニー》を禁止にしてしまうと、各種「HERO」デッキが不当に弱体化されてしまうことになり、それは健全な環境形成には繋がらないと考えていたからです。

この点、《D-HERO ディバインガイ》などの融合素材を禁止にすれば、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》出張が持つ高い継戦能力を削ぎ、単体除去などとの交換が現実的なものとなり、対策が現実的なものとなると考えていました。

その上で、《フュージョン・デステニー》にも準制限くらいの軽い規制を済ませれば、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の出張を抑制しつつ、「HERO」というデッキを使用する意義も十分残る改訂になったのではないかと考えています。

そのため、リミットレギュレーションの予想もそれを元にして考えました。

 

しかし、実際の改訂結果は皆さんの知る通り、《フュージョン・デステニー》の禁止でした。
これによって、純正「HERO」デッキだけが不当にデッキパワーを下げられてしまう結果となってしまったわけです。

個人的には、この禁止指定だけはやってはいけないと考えていただけに、非常に残念に思っています。

本当に禁止されるべきは誰なのか

ここまで取り上げてきたように、一連の問題を引き起こしているのは《D-HERO デストロイフェニックスガイ》と《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》です。
それ以外の周辺カードはそれらの身代わりになってしまったにすぎません。

その中でも、私自身は《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》ができるだけ早く禁止になるべきだ、という考えです。

これは、リミットレギュレーション発表前から変わらない考えであり、《フュージョン・デステニー》が禁止されてしまった今、より強いものとなりました。

詳しくは私が以前執筆した考察に記してありますので、よければご一読ください。

今回の規制でわかったように、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》は、放置しておくと他の様々なカードを身代わりに禁止に送るだけでなく、後続のカードデザイン面でも、大きな負担をかけ続け、多方面にガンとなるカードです。

《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の禁止こそが、ゲーム体験をよくするものに繋がる道だと考えているので、KONAMIさんには、できるだけ早く《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を禁止にしてほしいものですね。

とはいえ、今回の改訂において、緩めの規制だったとはいえ、「勇者」ギミックの早期規制に踏み切った姿勢などを考えるに、KONAMIさんにも英断を行えるということは分かっています。

そのため、そこから更にもう一段階踏み込んで、キチンと筋の通った形で非を認めてくれる日が来るのも遠い未来ではないと予測します。
その日を心して待ちたいなと思います。

まとめ

今回は《フュージョン・デステニー》の禁止が本当に必要だったのかを考察してみた記事でした。

そして、その結果《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》こそが諸悪の根源であり、即刻禁止にするべきでる、ということもお分かりいただけたのではないかと思います。

《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が今後どうなるかはまだ分かりませんが、その動向には目を見張らせておきたいですね。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
この記事に関する質問は、私スズタカ@ATM(@ChaosSusan)のDM、もしくは、質問箱によろしくお願いします。

それでは皆さん、またお会いしましょう。

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