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今回は私が2021年に参加したデュエルリンクスの世界大会のレポートになります。

私の過去ブログから移転してきた記事となりますのでご容赦ください。

それでは参りましょう。(以下原文コピー)

はじめに

皆さん、お久しぶりです。

「ib‐インスタントバレット」(世界大会に参加した際の専用HN)こと「スズタカ」です。

KCGT本戦決勝ステージ(いわゆる世界大会の決勝トーナメント)の出場権を獲得してしまったことにより、情報公開が自身の不利益になってしまう、という理由でブログの更新をお休みしていました。

ですが、その本戦も先日で終了したため、気兼ねなく情報発信を行える立場に戻りました。

そのため、書き溜めていた、調整記録や、試合レポートなどを順次完成させて公開していこうと考えています。

今回は、その一環として、本戦決勝ステージの前段階である、KCGT1stステージに向けた調整録をお送りしたいと思います。

調整段階で残していたメモをベースとしている内容であるため、文章が多少固かったり、文体がおかしい部分があるかもしれませんが、そのままにしてあります。

KCGT予選終了後

KCGT予選が終了した時点で、ひとまずの環境デッキの格付けが完了した。

それらのデッキを吟味し、本戦への持ち込み候補を挙げる必要が出てきた。

当時の自身の感覚で、環境デッキを格付けすると以下のようなものとなった。

Tier1
サンダードラゴン、サイバードラゴン

Tier2
オノマト、リゾネーター、TG、

Tier3
ハーピィ

基本的には、KCGT予選の結果をベースにした評価に、個人的な好みで加減を加えたものとなっている。

これらの環境把握をベースとして、スイスドロー予選までの1ヶ月の調整期間が幕を開けた。

調整期① 最初の2週間

調整期間の最初に触り始めたのはリゾネーター。

これには2つの理由が存在した。

1つ目は、リゾネーターが、KCGT予選前にリリースされたミニボックスで出現したアーキタイプであり、期間中では研究が完成しきっていないと考えたことである。

実際、KCGT予選の直後から、ESリゾネーター、エアーマン入りリゾネーターなど、従来はなかった厚めのアプローチが散見されており、まだまだ開拓の余地があると思えた。

未完のアーキタイプを完成させ、当日の持ち込みが可能となれば、その時点で構築の優位を持つことが可能であり、一発勝負の本戦においてその優位は見逃せなかった。

2つ目は、既に本戦の代表権を所有していた「haru」さんがKCGT予選でリゾネーターを使用していたという事実。

過去の記事をご覧になってくださった方なら、ご存知でしょうが、私は今回のKCGT予選で、「サイバードラゴン」を扱い、「haru」さんと数回の直接対決を行ったものの、その殆どを彼の高いプレイングによって粉砕されていたという苦い過去があります。

自身が点数を高く付けているデッキに対して強く出られるデッキがあるならば、そのデッキも必然的にポイントが高く付くというもの。

KCGT直前、及び、予選中は評価を低めに付けていたリゾネーターだが、再評価するべきという形となった。

調整を始めると、ESリゾネーターに関しては、数戦触っただけであまり強くはないことが理解できたので、すぐに扱いを取りやめ、エアーマン入りのリゾネーターの調整に取り掛かることに。

ありがたいことに、エアーマン入りのリゾネーターに関してはかなり好感触であり、積極的に調整を続けることとした。

その結果、調整期間中、8日間で3度の大会優勝を記録

これは、自身としてもシーズン中の入賞記録として、歴代最高の出来となり、非常に良い結果が出せたと考えています

特に3つ目の大会である「TRC」こと、「端末リゾートカップ」は、優勝者に副賞としてオリジナルの「選手応援歌」が贈呈されるという異色の大会であり、今最もアツい大会の1つとなっている大会です。

貴重な「応援歌」を勝ち取ってくれたという意味でも思い出深いデッキとなりました。

これらの結果を受けて、リゾネーターをひとまずの持ち込み候補に固定し、以降の時間は、その他の候補デッキの動向を探ることと、その研究に充てることとしました。

調整期間② CCSとその後

前述の連続優勝で、CCSの参加権利を獲得できたため、6月末のCCSに参加。

その日の持ち込みはサイバードラゴン&リゾネーター。

この時点で、既に自身でもサイバードラゴンというデッキの、大会での評価はかなり下火にはなっていた。

それでもなお、持ち込みを行ったのは自身の感覚の確認も兼ねての選出であった。

実際、CCSでは、持ち込みの段階で明確な勝てるビジョンが見えておらず、かなり足元がフワフワしていると感じていた。

そのため、CCSに関しては、上位入賞による賞金の獲得は補助的な目標とし、最優先の目標を、本戦メンバーの情報収集に設定し大会に臨んだ

当日の参加者の中には、翔太さん、シュウヘイさん、シンヤさんといった、本戦1stステージ参加メンバーの中でも自身が強くマークしていた人物が複数人出場しており、彼らが使用するはずである、「TG」及び、「サンドラ」の評価はこの大会の結果を持って判断できるという思考であった。

CCSの結果は、2回戦敗退。

あまりにも順当な結果なので、気落ちすることなどもなく、予定通り情報収集に移行する。

そして、気になるお3方の持ち込みを確認すると

翔太さん→「TG&その他」
シュウヘイさん→3位サンドラ&オノマト」
shinyaさん→2位サンドラ&TG」

複数のプレイヤーが高めの順位につけており、その結果は「サンドラ」というデッキの評価を1段階押し上げる動機となった。

しかし、気になる部分もあった。

それは、自身が当時あまり評価していなかった「オノマト」及び「ガイア」の持ち込みがトップクラスに多かったことである。(※)

(※)「オノマト」の評価が低めだった

これに関しては、既に本戦の結果を知っている皆様からすると、ありえない話だとは思うので、少し補足を加える。

当時のオノマトは、「サイクロン」を主体とした、いわゆる「アグロ型」の構成がテンプレであり、私が評価し、点数を低めに付けていたのは、そちらの「アグロ型」であった。

画像1

https://duellinksunion.com/?p=9157 より引用

データを見た当初は、CCSは2種類のデッキを持ち込むゲーム形式であるため、セカンドデッキ調達に難があったプレイヤーが、過去に使っていた「オノマト」もしくは簡単に組める「ガイア」を持ち込んだのかな?程度に考えてたものの、シュウヘイさんの持ち込みが「サンドラ」+「オノマト」であったことが楽観的な思考に歯止めをかけた。

自分の予想では「サンドラ」+「TG」の持ち込みを行うであろうと想定していたプレイヤーの持ち込みが「サンドラ」+「オノマト」であったということは、シュウヘイさんにとって、少なくとも「オノマト」を「TG」よりも優先する要素があったといえるからである。

これを機に、「サンドラ」というデッキだけでなく、「オノマト」というデッキへの注目度が自身の中で高まることとなった。

また、後日、シュウヘイさんに直接お話を伺う機会があったときに、持ち込みの意図を確認したところ

  • オノマトの方が広い対面に強いと思った
  • TGがなんか違うような気がした

というような感想をざっくりといただいた。

同時期に、個人的再注目プレイヤーであった「翔太」さんも「TG」の乗り換えの検討を始めたことから、「TG」の賞味期限が近いことを悟ることとなる。

これらの結果を受けて更新されの個人的なtierリストは以下のもの

Tier1
サンドラ

Tier2
オノマト、リゾネーター

Tier3
TG、ハーピィ、サイバードラゴン

デッキではない何か
ガイア、鮫

CCSを終えた時点で、環境のトップメタはサンドラであると仮定したため、サンドラに最低限強く、その上で広い範囲を取れるリストの開発が求められると考えるようになる。

調整期間③ 出会いと別れ

CCSを終わった時点での自身の持ち込み候補は変わらず「リゾネーター」。

リゾネーターにとって、サンドラは明確な苦手対面とされていたが、それらは構築の変化とプレイである程度補えると判断していた。

そのため、サンドラの増加はむしろ、自分の予想通りであり、環境変化が想定通りに進んだ場合、自分にとってはむしろ喜ばしい結果になると考えていた。

このタイミングで、私が実際に本戦への持ち込みを考えていた「リゾネーター」リストを掲載する。

何故、このタイミングなのかというと、これ以降、「リゾネーター」が使用候補に挙がることはなくなってしまうため、ここしかチャンスがないからである。

画像2

エントリーナンバー1番、純然たる殺意100%。
「エンジェルO7」を主軸に押し出した肉ギミック主体のビートダウンへのメタ構成。

環境変化を追えば、罠デッキが減り、肉ギミックを主体としたギミックビートダウン環境になると想定していたため、魔法罠への対策を削ぎ落としている。

これによって、サンドラ、WC、その他誘発デッキなど、本来ギミックでのメタが難しい対面相性を「エンジェルO7」を引けば勝ちに変貌させるというあまりにもピーキーなチューニング。

また、同時期に、大会へ持ち込みを行っていたリストは以下のようなものであり、メタ性能と、柔軟性を併せ持つことを重視するなら、こちらのリストをベースに細部を調整していく、といった手法を取る予定であった。

ガイウスをO7の2枚目に差し替え、バック干渉を削り24〜5に収める、というのが、最もイメージに近いものとなる。

画像3

大会用リストは、CCS参加時点で既に完成しており、本戦の3週間以上前に本命リストが存在していたこととなる。

しかし、「エンジェルO7」を主軸にしたプランは、存在そのものが奇襲であり、バレてしまえば対策が非常に容易い。

特に、仮想敵である「サンダードラゴン」はスキル「デスティニードロー」(以後DD)が主流であるため、必要性を感じたなら、メインデッキに「月の書」「ライトニングボルテックス」といった魔法カードを1枚刺し込むだけで簡単に耐性を持たせることができる。

仮にDDを使わせないようにゲームを進めていたとしても、「エンジェルO7」が間に合う前に、余裕を持って雷鳥マリガンでキーカードを探すといったプレイを取ることも可能。

そのため、基本的には、その存在は当日までバレてはいけないこととなる。

この制約のせいで、しばらくはランクマッチで数をこなす調整方針を取っていたものの、本戦が近づくにつれて、本戦参加者とのマッチング率が増加したことでリスクが増加。

これにより、リスト漏出の可能性が高まり始めたため、身内での調整を行うに留めた。

そのため、CCS以降はランクマッチで調整を行うデッキは「リゾネーター」以外で専ら興味が向いていた「オノマト」となった。

しかし、オノマトを回し始めたことで、1つの気付きが生まれてしまう。

「あれ?このデッキめちゃくちゃ強くねえか?」

ミッドレンジ軸の「オノマト」の登場

画像4

当時、試運転していたのは、サイクロン3、月の書3、狡猾1のいわゆる「ミッドレンジパッケージ」を採用したミッドレンジ軸のオノマト。

当然、時期が時期なので、「ガガガヘッド」の枚数も1枚

しかしながら、「オノマト」をミッドレンジプランで扱うという構成自体が偉すぎて、従来のアグロ軸とは別物の強さを獲得していることに気づく。

こうなると、再度、相性確認も必要だ、ということで、オノマトの仮原案となるミッドレンジリストを知り合いに渡し、「リゾネーター」との身内調整会を開いてみることに。

すると、手塩にかけて育てた愛機「リゾネーター」はリストを渡したばかりで練度が低い相手だったにも関わらず、「オノマト」のデッキパワーだけにボコられれ大差で敗北

極めつけに仮想敵としていた「サンダードラゴン」を同じく本戦参加が確定していた同じ調整メンバーの「つるぎ@昇竜会」さんに回してもらって相性確認を行ったところ、「エアーマン出張」と「エンジェルO7」を2枚採用しているにも関わらず、その勝率は6割程度とそこまで目覚ましい有利が取れるわけでもない、という有様に。

もちろん、対策が引けないと普通に負ける。

肉対面を重視し、「サンドラ」対策に振り切ったリストをぶつけたにも関わらず、この結果ということで、「オノマト」その他罠デッキへの不利も含め、「リゾネーター」はあえなく使用候補から外れることとなった

本来、アグロ軸の「オノマト」には、リゾネーターは間違いなくギミックが有利だったが、バックに「月の書」が控えているという事実だけで一転不利対面になってしまった。

そして、オノマトギミックによる前のギミック+素引きによる後ろのバックという、前後に妨害を散らす構えは、現代遊戯王の強デッキが持つメリットの1つであるということにも気づく。

この性質をより強化することが、オノマトを強く扱う上で不可欠な要素になっていると確信するに至った。

そして、これらを高い水準で行えるデッキは「オノマト」以外に存在せず、同様のことを行う場合、多くのデッキは「オノマト」の下位互換になるとも感じた。

この時点でのオノマトへの評価は以下。

7/3 限界コード内個人部屋、天賦の語り部屋から

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調整期間④ イノベーション

相変わらず「オノマト」の調整を続けるが、増加傾向にあるミラーマッチでエッジを出す方法が見つからず調整に悩む。

また、「オノマト」の評価が上がってきたと同時に、「サンドラ」そして、「罠不知火」にも増加傾向が見られるようになってきた。

「オノマト」としては、ミラーマッチの問題を解消できていない上に、前後から別ベクトルの苦手マッチに挟まれてしまったという形になる。

正に四面楚歌。

当時の肌感によるTierリストは以下

Tier1
サンドラ、オノマト

Tier2
サイバードラゴン、罠不知火

Tier3
TG、ハーピィ、炎王

7/7の一人語りでは、以下のように述べている。

画像10

かなり追い詰められてしまった状況だが、ひとまずはミラーマッチの相性改善が最優先だと考え研究を進める。

なぜなら、本戦で母数が見込まれるデッキはサンドラ、及びオノマトであるため、そのどちらかにだけは、最低限立ち回りを確立しておかなければ、勝ち抜けは狙えない。

正直な話、このタイミングでは、乗る船が殆どなくなっていたため、死ぬ気で2週間「サンダードラゴン」を練習するか、予選同様、「サイバードラゴン」に乗り込み、ドリームを起こすかしかないのではないかと思うほどに追い詰められていた。

しかし、リストの調整を続ける内に、オノマトミラーでエッジを出す方法は、「ガガガヘッド」の複数枚採用にあるのではないかという天啓を受ける。

「ヘッド」の複数枚搭載案自体は、過去にも存在していたが、デッキ自体が速いゲームレンジを選択していたため、当時はオーバーキル気味な選択肢となっていた。

しかし、今ならゲームスピードは遅くなっており、狙いのゲーム展開になるのでは?

ということで、ヘッドの2枚目を採用したリストを作成し、大型のスイスドローの大会に持ち込んで様子を見ることに。

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結果は望外の優勝

特に、スイスドロー、決勝トーナメント全てにおいて、メイン戦の取得率が非常に高く、試運転としてはかなり満足のいく出来となった。

また、収穫は他にもあった。

ミッドレンジ軸のオノマトのベースとなる構築を扱っていた「bobby」さんも同大会において、複数枚の「ガガガヘッド」及び「煉獄の落とし穴」まで用いた重めのオノマトを回していることを確認できたからである。

これらのことから、リストを重くするという方針が、ミラー並び、その他へのエッジを出す部分となることに間違いがないことを確信する。

この大会後に、チームメンバーで本戦参加者でもある「TsunTsun」さんと意見交換とサンプルリストでのスパーを行い、ミラーマッチでの優位性を確認。

これらの結果から、本番への持ち込みを「オノマト」に固定し、ここからは、リストと調整結果をシェアしつつ、本番を目指すこととなった

この時点で、本戦のちょうど1週間前。

何かしらの波乱さえなければ、重いオノマトを扱うという構築の優位だけでも勝ちに行けるか…?

事前調整 最後の1週間

複数枚の「ガガガヘッド」をベースに構築を進め、細部をミラー、及びサンダードラゴンへの勝率改善に充てるためにひたすら、トライアンドエラーを繰り返す日々。

そんな中、災厄は突如としてやってきた。

海外の強豪であり、本戦決勝ステージへの参加権を有していた「Grucius」による、突然のコントロール軸のオノマトのリスト公開である。

当時の感想としては、よくもやってくれたな、「Grucius」、以外の何ものでもなく、あまりにもいい迷惑でしかない情報公開であった。

実際、その以前にも、コントロール軸の「オノマト」のリストを公開していたものの、その出来栄えはお世辞にもあまりいいものとは言えなかった。(失礼)

しかし、本番直前に公開されたリストは、それ以前のものと比べて「結構やれそう」感を感じさせる、非常に困った仕上がりとなっていた。

公開されたコントロール軸は明確にオノマトのミラーマッチを意識した構成であり、乗る船がなく悩んでいた本戦参加者の最後の寄る辺となった出来事なのではないかと考えている

これにより、ひっそりと調整を進めていた複数枚の「ガガガヘッド」と、テンプレよりも多くの妨害札を採用するという重めのミッドレンジプランは、構築としての奇襲性を失ってしまった。

本番数日前にして、自分たちが持っていたアドバンテージの多くを失ってしまったかにも思われたが、文句を言ってもいられない。

仕方なく、各自が情報を持っている前提の下で、更なるエッジの出し方を模索しながら、本番のスイスドローへと至ることとなった。

本戦当日以降のレポートは、後編にて記そうと思う。

よければ、また次回、お会いしましょう。

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