遊戯王日本選手権参加レポート①環境把握編
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今回は、先日行われた遊技王の日本選手権の参加した際のレポートをお送りしていこうと思います。

今回は触りとなる環境把握を行っていき次回から実際のデッキリストや当日レポートをお送りしたいと思います。

あまりOCG環境が分からない、といった方々に向けた説明の意味合いが強いので、軽く読み飛ばしてもらっても問題ない内容になります。

それでは、参りましょう。

環境把握

現在のOCGの環境は、出張パーツによるメインギミックの補強を前提としたデッキが強いとされる、完全な混ぜ物環境です。
特にD-HEROギミック、勇者ギミックの2つの内、どちらか片方はデッキ内に間違いなく入っている前提で、サイド後まで含めたゲームプランを立てることが必要とされます。

現環境を他の環境のカードで端的に表すなら、「超魔導竜騎士ドラグーン・オブ・レッドアイズ」ギミックと「十二獣」ギミックという入れ得、出し得ギミックが両方環境に存在している環境だと思ってもらえればよいでしょう。

環境初期は「勇者〇〇」など、出張パーツの名前がデッキ名に含まれることが多かったものの、直近は各種パーツの採用が当たり前になりすぎて、一周回って出張パーツの存在が表記されないほどになっている、と言えば、どれほどの出張環境であるかが伝わるのではないかと思われます。

環境デッキのTier順もそれら出張ギミックを無理なく扱える順番に序列がつけられており、2つの強ギミックを無理なく取り込むことができる「幻影騎士団」が圧倒的なTier0デッキとして君臨、次点に「勇者ギミック」との親和性が高く、豊富な1枚初動から高い展開能力を持つ「プランキッズ」が続きます。

これら2デッキ以外のデッキは、何らかの出張ギミックを取り込んだとしても、トップメタ勢に総合力で1段階以上劣ることは否めません。
そのため、強力な誘発を数多く採用して、展開デッキに対抗する「相剣」、各種優秀な罠での制圧、捲りを目指す「エルドリッチ」といった、出張要素に頼りきらないゲームメイクを行うデッキも存在しますが、マッチ単位で見た時にデッキ間の格差は埋まらず、前述の通り、強デッキの対抗馬にはなりえていないと言えるでしょう。

このように環境の序列が完全に固まった状態で日本選手権の1次予選、及び2次予選は行われることとなります。
勝利を目指すためには「D-HERO」ギミック、「勇者」ギミックの攻略は必須であると言えるでしょう。

「D-HERO」ギミック

「D-HERO デストロイフェニックスガイ」による制圧、除去、リソース獲得能力を活かすギミックです。

デッキ内から融合素材を調達することができる「フュージョン・デスティニー」、そして、それをデッキ内から踏み倒すことができる「アナコンダ」の存在によって、構築内に融合素材を確保することさえできれば、リンク値2を稼ぐだけであらゆるデッキでスーパーフィニッシャーを供給することができます。

「デスフェニ」を「壊獣」のようなカードで安全に処理すること自体はできます。
しかし、それだけでは、融合素材として墓地に待機している「ディバインガイ」の効果による2ドローで、アドバンテージを稼がれてしまい、その差分で損が発生してしまい、ただ除去するだけではじり貧になっていきます。

このように、ただボードにいるだけでも相当強いにもかかわらず、処理方法が面倒、かつただ処理するだけでは、アドバンテージ差で長期的に負けてしまいます。

更には、「フュージョン・デスティニー」の存在は、相手からの手札誘発による妨害を受けきった上での帳尻合わせに最適であり、「デスフェニ」の成立は、高い展開力を誇るデッキが苦手とする「原始生命態ニビル」の直撃を避けることができる(※ため、既存の手札誘発全般に強い性質を持っています。

このように、シンプルな扱いやすさとは裏腹に、多角的な強さを持っており、あらゆるデッキに力と柔軟性を授けており、環境で最も警戒、対策を行わなければならないギミックとなります。

Tips
「原始生命態ニビル」の直撃を避けることができる

当然と言えば当然のことではあるが、念の為に補足説明。

「二ビル」の効果処理にチェーンして「デスフェニ」を含むカードを破壊して蘇生効果を使うことで、「デスフェニ」を墓地に逃がすことができ、最低限の妨害を残してターンを返すことができる。
その後生きて再びターンが返れば、「ディバインガイ」の2ドローなども合わせての復帰は容易である。

これらのことから「二ビル」は単体では、展開デッキへの決定打にはなりえないと言える。

勇者ギミック

「アラメシアの儀」1枚から始まり、「運命の旅路」を経由して「グリフォンライダー」による1妨害、「ドラゴバック」による除去踏み、「聖殿の水遣い」による展開を、状況に応じて使い分ける出張ギミックです。

1枚で「グリフォンライダー」による1妨害が可能という性質から、先攻展開の補強用カードに見えがちですが、その本質は「ドラゴバック」を交えた後手の妨害踏み能力にあると私は考えています

ドラゴバック」は、ノーコストでフィールドのカードをなんでもバウンスすることができるため、罠カードを予めはがして展開できるだけでなく、環境の最優先対策対象である「デスフェニ」をきれいに処理できるカードの1枚である点が非常に強力です。
そのため、「運命の旅路」は「デスフェニ」を高確率で安く踏むことができるカードであるといえます

このように勇者ギミックだけで強力な捲りを行えるため、半端な先攻展開をしていると、「アラメシアの儀」→「グリフォンライダー」→「ドラゴバック」といった手順だけで、1枚のカードに2妨害を踏まれてしまい盤面が崩壊してしまいます。
先攻展開を行う際は「デスフェニ」と並んで警戒しなければならないギミックだといえるでしょう。

主流な環境デッキ

幻影騎士団

紛うことなき今期の圧倒的Tier0デッキです。

前述の「デスフェニ」「勇者」の2つのギミックを無理なく取り込みつつ、自前の「幻影騎士団」ギミックで更なる妨害の供給が可能と、環境で求められている要素をすべて合わせ持っているデッキです。

ギミック内の動きとしては、「ラスティ・バルディッシュ」から「幻影霧剣」を構えつつ、墓地リソースを作る動きがシンプルながらに強力であり、墓地リソースを有効活用できるデッキであることから、展開力の高いデッキであるにも関わらず「原子生命態ニビル」の直撃にすら最低限の耐性を備えています。

また、「バルディッシュ」「サイレントブーツ」から用意した「幻影霧剣」の存在が「デスフェニ」に対してシンプルに効くカードであるため、ギミック内でトップメタへの耐性を備えており、その他デッキとの差別化を可能としています。

更には、「アーティファクト・ダグザ」から「アーティファクト・デスサイズ」を用意し、相手ターンに展開することで、エクストラデッキ経由の展開を封じるといった戦術も有しており、モンスターカードを主体とするデッキには無類の強さを誇ります。

墓地リソースを使うデッキであることから「禁じられた一滴」「ツインツイスター」といったコストが必要なカードも無理なく扱うことができ、サイドデッキまで含めて非常に広い選択肢を持ちます。

総じて、総合力が高いデッキであるといえるでしょう。

プランキッズ

 

豊富な1枚初動から、そこそこ固い先攻盤面を組むことができるという細い線から戦える事がウリのデッキです。

そこそこの強度と言いましたが、並大抵のデッキならば、下級1枚初動から「ハウスバトラー」を成立させ、相手ターン中にフリーチェーンで「サンダーボルト」効果を2回ぶっ放すだけで問題なく蹂躙でき、現代遊戯王の層の厚さを感じさせる評価のテーマです。

この細い線から戦えるポイントを「勇者」ギミックや各種手札誘発、その他の汎用枠で補強していくデッキだといえるでしょう。

また、初動である「プランキッズ」下級モンスター1枚から、「ランプ」の500バーンと「ドロップ」の1000ゲインを合わせて」ライフ差を1500広げることができ、ET、EDといった延長戦に強い、という番外戦術じみたメリットも持っています。

「プランキッズ」はギミック内で「バウワウ」の効果破壊耐性付与と「ウェザー」の戦闘破壊耐性付与を持つため、ボードを広げてライフ差をを守る、ということだけに注力することも可能なデッキです。
そのため、このライフ差を広げるという行為は見た目以上に大きく、時間管理が重要な局面で意識しなければならないポイントとなりえます。

私は意図的な遅延行為は許されないと考えているため、そういった手法を推奨することはありませんが、対戦相手が遅延を行っていると感じたのなら、素直にジャッジを呼ぶなり、負け確定ならば早めに畳んで時間を節約するなり、ある程度自己防衛が必要とされるマッチアップだといえるでしょう。

エルドリッチ

「黄金卿エルドリッチ」をエースとし、「エルドリッチ」カードで妨害とリソース確保を行う、現代遊戯王ではかなり珍しい純正のコントロールデッキです。
直近は、半端な枚数の手札誘発は先攻展開には焼け石に水であることが多いため、手札誘発すら排して罠カードによる捲りをプランの中心に据えたリストが多くなっていると感じます。

基本的にエルドリッチ側が引いたカードを順番に開いていって、攻める側がそれらを攻略できるかという試合にしかならず、お互いにプレイ分岐はあまりないデッキです。
中でも「スキルドレイン」はデッキによっては詰みかねないカードであるため、メインはともかくサイド後は十分に対策を行っておきましょう。

相剣

2枚1組のコンボデッキながらに簡単にシンクロ召喚を行えるデッキです。
ギミックで簡単にモンスターでの妨害を用意できるため、その脇を優秀な罠カードや手札誘発で固めて勝負を行います。

特に環境デッキが墓地を多用する環境であるため、「ディメンション・アトラクター」が非常に強く扱える点はその他環境デッキにはないメリットです。

その他「アーティファクト・ロンギヌス」「原子生命態ニビル」といったクリティカルな手札誘発を「幻創龍ファンタズメイ」から集めて叩き込むというサイドプランは、特定の手札誘発に弱いデッキに強い戦略であるといえるでしょう。

良くも悪くも環境デッキへの手札誘発の浮き効きで評価が上下するデッキだといえます。

まとめ

環境把握はひとまずこんなところでいいでしょう。
「D-HERO」ギミックや「勇者」ギミックを中心として環境は成立しており、多くのデッキはそれらを取り込んでいることがお分かりいただけたと思います。

今回はこのあたりで軽めに終わらせ、デッキリストや当日レポは、当日編に続けていきたいと思います。

それでは、みなさん、またお会いしましょう。

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